2010年06月29日

孫分蜂確定&蜜源植物「サカキ」

今春捕獲群のなかでダントツで勢いのあったA群ですが、嫌な予感が的中してしまいました。今日、底板の周辺にたくさんの雄蜂の巣房の蓋が落ちていました。これは普通、春先の分蜂前に見られる現象なのですが、この時期に起こったということは、この春の分蜂群がもう一度分蜂する通称「孫分蜂」が起こるということが確定したということです。

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雄蜂の巣房の蓋がたくさん落ちています

で、なんでこれが嫌なことかというと、孫分蜂が起きた元の巣(この場合A群)は蜂の数が半分になり、分蜂群に貯蜜は大量に持って行かれます。また、元々の女王蜂が分蜂軍を率いていくため、この巣に残るのは新しく生まれた新女王で、交尾飛行を行わないと産卵が出来ません。しかし、この時期はミツバチの天敵のツバメがたくさんおり、交尾飛行に出た新女王が食べられてしまうこともしばしばあるようです。そうなると、その群は無王群となり、消滅の道を辿ります。また、いきなり蜂数が半分になるので、巣のガードもあまくなり、特にこの時期活動が活発なスムシの餌食になる確率もぐんとあがるそうです。

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内部の観察のためのアクリル窓付き継箱を設置したばかりでしたが

とまあ、こんな感じで、全然ありがたくない孫分蜂ですが、まあこれも経験ということで、状況を見守ろうと思います。孫分蜂させない技術もあるようですが、それは今回はやらない予定です。この秋の採蜜が最も期待されていたA群でしたが、だいぶ雲行きが怪しくなりました。

ちなみに、孫分蜂した原因は巣箱の増設が遅く、蜂が狭く感じたのではないかという可能性があるのと、A群は入居後すぐに育児が始まっていた旧女王率いる第一分蜂群だったので、旧女王は孫分蜂しやすいということもあるそうです。あとは、単に群が大きくなりすぎたというだけの可能性もあります。

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巣箱の外に蜂がたくさん溢れています

さて、孫分蜂はいつ起こってもおかしくないくらい、蜂たちが巣箱の外に溢れでてきていますが、今後やらないといけないことを忘れないように列挙しておこうと思います。

・分蜂群が入る可能性のある待ち箱を周辺に設置する(あまり近すぎるのはよくない)
・毎日良く観察して分蜂が起こったら、分蜂球が近くに出来ていないか探す
・分蜂球を発見したら、巣箱に取り込んでみる(分蜂球捕獲はあまり好みではないですが、なにごとも経験ということで)
・元巣(A群)の底板の清掃を心がける(スムシ対策)
・元巣(A群)の産卵状況を気にかける(無王群になった時の対応をどうするか)

こんな感じでしょうか。来年の春に経験すると思っていた自群からの分蜂がこんなに早く起こるとは・・・。ニホンミツバチの生態はやはりなかなか興味深いですね。

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意外と樹高はあります

さて、ついでに蜜源植物の紹介です。最近咲いている花は以前紹介したキンシバイとナンテン。キンシバイはミツバチだらけですが、ナンテンはあまりおらず、クマバチが必ずいます。山の方ではアカメガシワが満開でたくさんのミツバチの羽音が聞こえます。それと、トウネズミモチがボチボチと咲き始めています。

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下向きにかわいい白い花を咲かせています

今回紹介するサカキは、裏山にたくさん生えています。神前に備えるのに使われる樹木なので馴染みはあるのですが、花を意識したのは初めてです。もうピークは過ぎた感じですが、まだまだミツバチが多数集まっています。
この木もこれまでは比較的安易に間伐していたのですが、よい蜜源のようなので、なかなか今後は切りにくいですね。林内の日照を確保しつつ、常緑樹を残す方法を考えるべきですね。
posted by 豆狸 at 01:26| Comment(2) | 養蜂日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする