今春に6群捕獲して再開した日本蜜蜂飼育でしたが、なかなか難しく現時点で残っているのは1群のみという結果でした。今回は、その原因を書き記し、来季以降の糧になるようまとめてみます。
まず、2群は熊だと思われる野生動物にやられました。1群はアライグマではないかとも以前記事で書きましたが、2群目はコンクリートブロック3つ載せておいてものが軽々となぎ倒されていたので、やはり1群目も含めて熊の可能性が高いのではないかと考えています。これに関しては、鉄柵・電気柵などで囲うなどの対策が有効だと思われます。もしくは、ちょっと大きめの蜂小屋のようなものをつくるのもよいかもしれません。
唯一残ったミツバチの群
次にスムシ。これは日本ミツバチの巣を食べる蛾の幼虫です。これに1〜3群やられました。数が確定していないのは、うち2群は、確認した時点で巣内にオオスズメバチが侵入しており、スムシによる逃去後にオオスズメバチが侵入したのか、オオスズメバチの襲撃で逃去した後にスムシ被害が拡大したのか、の判断がつきかねるからです。これに関しては、巣箱の蓋や丸胴と重箱の継ぎ目、底板の板の間や裏側などに隙間が多く、ミツバチは入れないけどスムシは生育できるような場所がいくつもありました。これがスムシの生育を助長したのは間違いなので、きっちりとした隙間のない巣箱を作る必要があります。あとは、底板の巣屑は定期清掃しないとやはりスムシを呼び寄せるのだと思います。対策としては、ゴキブリホイホイのようなものを設置して、産卵に来たスムシの成虫を捕獲している方もおられるようですが、そこまでする必要があるのかどうかはまだ判断がつきません。
オオスズメバチとミツバチの攻防は激しいです
あとは、スズメバチ。キイロスズメバチは、巣の前をホバリングしてミツバチを一匹ずつ捕獲して巣に持ち去るだけなので、致命的なダメージはありませんが、その襲来が頻繁に行われるとミツバチの採蜜活動に影響が出るので、適宜捕獲などするのがよいと思います。で、問題のオオスズメバチですが、最後に残った1群が現在もその襲撃にさらされています。この1群とオオスズメバチの攻防はかなり長期化していて、巣内には20匹ほどのオオスズメバチの死骸がありました。これはミツバチが巣内に侵入したオオスズメバチを熱球で殺したものです。オオスズメバチが襲来するとミツバチは一切採蜜活動には出かけずに巣にたてこもるので、秋以降はほとんど出かけられず、新たな造巣・集蜜はほとんど出来ていない状況だと言えます。これの対策としては、事前のペットボトル誘引液による捕獲を強化する、スズメバチ捕獲器を設置する、8mm程度のメッシュで入り口を覆い、スズメバチが侵入できないようにする、見つけ次第捕殺する、などが挙げられます。これらを複合的に行っていくしかないかと思います。
わずかに採れたハチミツ
以上、簡単にまとめました。全体として言えるのは、自宅群は今後飼育をするならば熊・野生動物対策が必須ということと、近所の山での飼育群は見回り・世話が十分にできなかったことによるスムシ・スズメバチ被害の発生という結果を受けて、自分の飼育できる蜂群数、飼育場所をきっちりと見極めることが重要だという事だと思います。
ちなみに、唯一残った1群から秋に若干の採蜜を行ないました。丸胴部分までしか巣がなかったので、巣板を2枚だけ切り取りました。そこから採れたハチミツは200cc足らず。順調に行けば一升瓶1本くらいは軽く採れるそうなので、全然ダメな結果でした。色々合わせたミツロウも全部で300g程度でした。これは来季の捕獲に役立てたいと思います。
あとは、残った1群をなんとか無事越冬させることに努力を払う必要があります。
ニホンミツバチに迷惑をかけ続けた1年だったように思いますが、来期以降はこれらの総括をもとに、自分にとってよりよい飼育法・飼育形態を確立していきたいと思います。
このミツロウは来季の捕獲に役立てます