2016年07月22日

ゴリの佃煮

この季節になると、川を集団で遡上するヨシノボリの稚魚を見かけます。それをちまちまと捕まえて佃煮にするのも夏の楽しみのひとつです。ちなみに、ゴリというのはハゼ系の魚の総称のような感じで使われることが多い言葉です。琵琶湖の方では漁船で沖びき網漁という方法で漁の対象となっていて、「うろり」などと呼ばれて名物の一つになっています。道の駅などでも「うろりの佃煮」としてよく販売されています。

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頑張って捕ったゴリ600g

川でのゴリの捕り方は、「ゴリ押し漁」、「ゴリ踏み」などと呼ばれる追い込み漁が有名ですが、堰堤などを遡上中のものをちょこちょこ捕る方法もあります。

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ゴリを捕った川のクレソン

以下、ゴリの佃煮の作り方

1.捕ってきたゴリに適当に塩をふりかけて揉んでぬめりを取ります。

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ちょっと違う魚も混じってますが気にせずに

2.水洗いをしてから、醤油、砂糖、みりん、日本酒をお好みで混ぜたもので煮ます。実山椒やタカノツメ、生姜などを入れるのも良いです。

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弱火でコトコトと・・・

3.沸騰したらアクを取り、その後は弱火で落とし蓋をして30分ほど煮ます。

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最後はザルに取るのがポイント

4.煮詰めすぎるとベトベトになるので、適度なところでザルに取って煮汁を切ったら完成。

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瓶詰めしたら売り物みたいになりました(笑)
posted by 豆狸 at 01:17| Comment(0) | 釣り・漁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月19日

ムラサキヤマドリタケ

先日、家の裏でこんなキノコを見かけました。真っ黒でいかにも毒々しい感じ。

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落ち葉の積もった辺りに1本だけ生えていました

傘の裏を見るとイグチ科のキノコの特徴。「イグチ科のキノコは毒キノコが少ないとよく言われているけど、確か黒いイグチで毒があるキノコが発見されたっていうニュースがあったような・・・」と気になって調べてみると、ミカワクロアミアシイグチというのがその毒キノコのようで、「ヒサカキの生える林に発生」との記載が。我が家の裏山はヒサカキだらけで、春はヒサカキの花の何とも言えないニオイに山中が包まれるくらい。写真を見ても確かに似ているし、これは毒キノコかなーと思って詳しい人に尋ねたところ、

「ムラサキヤマドリじゃないの?」

との返答。ムラサキヤマドリというとアカヤマドリなどと並んで、ヨーロッパなどで人気のあるポルチーニと呼ばれるヤマドリタケの仲間です。アカヤマドリは以前に何度か採取した事はありましたが、ムラサキヤマドリは見たことすらありませんでした。で、改めて図鑑などで調べてみたところ、ミカワクロアミアシイグチよりもムラサキヤマドリタケに特徴が一致。特に決め手になったのは、ミカワクロアミアシイグチは傘のひだの部分に傷を浸けると赤から黒に変色するとあったのに、このキノコは一切変色しなかった点です。

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実は美味しいキノコ!

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ひだに傷を付けても変色せず

という訳で、毒キノコの疑いは晴れ、食べてみることに。ちなみに、他にも黒い色のイグチ科のキノコはいくつかありましたが、それらは柄の網目や他の特徴で違うという判断ができました。

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スライスするとこんな感じ

柄の部分は若干虫にやられていましたが、傘の部分はかなり身が詰まっていていい感じ。で、ごま油で炒めて塩コショウを振っていただきましたが、旨味がすごい!これは間違いなくおいしいキノコです(毒も多分ない(笑))以前、北海道でハナイグチ(向こうではラクヨウと呼びます)採りに連れて行ってもらって、イグチ科のキノコの美味しさにびっくりしたのですが、今回も改めてイグチの底力を感じました。

とりあえず、またひとつ同定できるキノコができたのも収穫です。天然キノコは難しすぎるので、本格的にきのこ狩りをやるのは老後の楽しみだと思っていますが、こうやってちょっとずつ覚えていくのもよいですね。

※天然キノコの同定・判別は大変難しい物が多く、詳しい方でも間違えることもあります。自分が採取したものを食べるときはくれぐれも慎重に自己責任でお願いします。

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遠目に見てマスタケ!と思って近づいたら、シロカイメンタケで残念
posted by 豆狸 at 06:40| Comment(0) | キノコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月16日

ヤブカンゾウの花のつぼみ

頼まれた河川敷の草刈りをしていると、ヤブカンゾウの花が目に付きました。春先の新芽はアクのない人気の野草ですが、実はこのつぼみも食べられます。

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ヤブカンゾウの花とつぼみ

ヤブカンゾウの花は昼間に1日咲いてすぐに萎んでしまいますが、毎日どんどんと次のつぼみが膨らんでいって連日花を咲かせます。なので、翌日に咲くくらいのよくふくらんだつぼみを採取します。

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もったいないのでざっと収穫

ちなみに、ヤブカンゾウとよく似た野草にノカンゾウがあります。新芽の頃は区別するのが難しいのですが、花が咲くと簡単です。ヤブカンゾウの花が写真のように八重咲きなのに対し、ノカンゾウの方は一重のいかにも「ユリ」という感じの花を咲かせます。あと、ヤブカンゾウのことをカンゾウと略す場合もありますが、カンゾウと言うと普通は漢方薬などで使われるマメ科の「甘草」を指すので、略さないほうがいいと思います。なお、ヤブカンゾウ、ノカンゾウはユリ科で漢字で書くと、薮萓草、野萓草となります。

あと、開花時期も見た目もだいぶ違うので大丈夫だとは思いますが、ヒガンバナ科のキツネノカミソリという毒草がオレンジ色の花を咲かせて、雰囲気はやや似ています。山菜・野草にはよく似た毒草があるものが結構あり、毎年誤食のニュースを耳にします。決して間違えないように注意が必要です。

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さて、収穫したつぼみですが、食べ方としては天ぷらにするか、蒸してポン酢やマヨネーズを付けて食べることが多いです。甘酢漬けも定番です。適度なヌメリがあるのにシャキシャキしていて、なかなかおもしろい食感です。オクラに似ているとよく言われます。
ただ、ヤブカンゾウは新芽もつぼみも食べ過ぎると下痢をするという人もいるそうなので、食べ過ぎは禁物です。というか、山菜・野草のたぐいは食べ過ぎるとよくないものも多いので、ほどほどにしておきましょう。

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蒸すとこんな感じになります

なお、このつぼみは蒸してから乾燥させて利用することもできます。中華料理では「金針菜」と呼ばれ、結構人気の食材です。鉄分などが豊富で栄養価も高いとか。ホントに一時期しか収穫できない食材なので、そうやって保存するのも良いですね。

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干し網で乾燥させる

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◆ヤブカンゾウの新芽
posted by 豆狸 at 07:17| Comment(0) | 山菜・果実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする