なお、鳥獣の解体の仕方は、個人や地方によっても様々でこれが正しいというものはありません。これはあくまでも私が師匠から習った一つの方法に過ぎないということをお断りしておきます。
軽トラックに積んだヒヨドリ約60羽
猟期後半のヒヨドリは集団で野菜を食害します
では、以下はヒヨドリの解体の仕方です。
1.網に掛かったヒヨドリは親指でポキッと背骨を折って、トドメを刺します。スズメよりは死ににくいですが、しばらく押さえていればよいです。親指の先に心臓の鼓動が伝わってきます。これにより、腹腔内に血が流れ出すのである程度の血抜きは済みます。これは短期間でたくさんの獲物の止め刺しをするための方法なので(あと、現場に血を残さずに済む)、少数羽の場合で、場所が問題なければ、生きたまま頭部を切断したほうが血の抜けは良いです。
その後の処理は帰宅後に行いますが、時間があれば、なるべく猟場で内臓をだしましょう。内臓の出し方は肛門の辺りを爪でつまんで皮膚をちぎり、親指でおなかをぐっと絞り出すように押すと内臓がボロッと出てきます。それを引っ張って捨てます。
あと、スズメよりも大きいので体温が下がりにくいです。あまり大量にまとめて袋などに入れておくと、体温が下がらず肉が傷みますので、なるべく外気に触れるような形で持ち帰りましょう。氷をたくさん入れたクーラーボックスなどを持参するのがベストです。
持ち帰ったヒヨドリ
2.帰宅後、羽をむしります。この際に、羽の第一関節、頭は落とします(スズメは頭も食べます)。スズメと比べるとヒヨドリは毛が引きやすく親指でなでるようにすれば簡単に抜けていきます。
親指でサッと撫でるだけでこの通り
あまり強く引っ張ると皮が剥けてしまいます
よく脂がのっています
頭は固いので切り落とします
3.産毛が気になるようなら、さっとバーナーで炙ります。その際の持ち手として、脚先はまだ残しておきます。
毛はだいたい引けたらOKです
気になるならバーナーで炙りましょう
4.あとは、肛門からハサミを入れ腹を割って開いてから、残っている心臓や肺、血の塊などをキッチンペーパーなどを使って取り除いたら完了です。血が気になるなら、さっと水洗いしてから拭いてもいいです。
何十羽も処理するときはテレビかラジオを付けながらやります
パック詰めして冷凍保存します
5.下半身1つ(尾てい骨ともも肉)、と上半身2つ(胸肉と手羽)に切り分けてから保存しておいてもいいです。こうしておくと一口サイズになり、調理した時に食べやすいです。その際に背骨は抜いておいたほうが口当たりがよいです。
台所のグリルで試し焼き
こんな感じで一口サイズにしておくと、焼くのもやりやすいです
※当記事は2009年4月27日投稿の記事のリニューアルです。