今回は猪肉ベーコン。ベーコンにするにはやはりバラ肉がいいのですが、100キロ以上ある豚肉と違って若い個体のイノシシだとバラ肉はペラペラなので、最低でもハラ抜き40kg以上のイノシシでやったほうがいいです。
出来上がったイノシシベーコン
めんどくさい時は適当に塩と砂糖、胡椒だけで作ったりもするのですが、今回のは年始に獲れた中くらいのオスで、若干発情臭がするので、香辛料をしっかりと調合しました。オスイノシシの発情臭は「白檀みたいなニオイ」とも言われ、苦手な人は嫌がりますが、香辛料を利かせた料理にすると意外とそんな人でも食べれたりします。それと同じで、発情臭のあるイノシシ肉は燻製にするのもオススメです。
では、以下が猪ベーコンの作り方です。
仕込み:
1.バラ肉をよく洗い、布巾で水気をふき取って、金串で裏表から刺して香辛料のしみこみをよくする。
今回使ったイノシシ肉。バラ肉以外に肩ロースも使いました。
2.バットに入れて調合した香辛料をよく揉み込む。配合は、イノシシ肉1kgに対し、塩35g、三温糖10g、黒胡椒、ナツメグ、シナモン、セージ、クローブ、セロリ、オールスパイスを数gずつ。あとは、月桂樹の葉を数枚。香辛料はこんなに色々入れる必要はないですが、個人的にはシナモンとクローブ、セロリが入っていると一気に本格的なベーコンの香りになります。
香辛料をよく揉み込みます
3.バットに残った香辛料とともにストックパックに入れ、更によく揉み込む。今回は白ワインを適量追加。香辛料だけでもそのうち肉から水分が出てきますが、ワインや日本酒などを最初に入れておくと香辛料がより均一に染み込みやすくなるように思います。
よく揉み込みましょう
4.それを冷蔵庫に保管。約1週間ほど置く。その間1日1回くらい香辛料がよくまわるように冷蔵庫から取り出して揉み、冷蔵庫のなかで上下を反転させておく。
仕上げ:
1.取り出した肉をよく洗う。次に止水で2時間ほど塩抜き。1時間したところでいったん水を替える。流水でやる場合もあるが、部分的に塩気が抜けすぎる場合があるため、大きめの鍋で止水でやるのが確実。適宜混ぜてやったほうが均等に塩が抜ける。
2.水気を拭き取ったあと、乾いた布にくるんで冷蔵庫に半日保存。最近は、吸水性のあるペットシーツをよく利用している。
干し網で風乾
3.肉を風通しのいい日陰で2時間風乾する。寒い時期なら、冷蔵庫の工程を省いていきなり半日ほど風乾でもよい。
4.スモーカーに入れ、温熱乾燥(約40℃)を2時間、チップを入れて約65℃で6時間以上燻煙(今回はヤマザクラの自家製チップを使用)。
自作したスモーカーで燻煙
◆燻製 スモーキングチップ ヒッコリー キャプテンスタッグ
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燻煙は自家製チップでやるのが安上がりで良いですが、個人的にはベーコンはこういった市販のヒッコリーのチップでやるのが一番あってると思います。
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燻煙は自家製チップでやるのが安上がりで良いですが、個人的にはベーコンはこういった市販のヒッコリーのチップでやるのが一番あってると思います。
5.燻煙終了後はそのままスモーカーを開けずに冷まし、取り出してから真空パックするかジップロックに入れる。
美味しそうな色に仕上がりました
6.最後に沸騰したお湯に数分ほど入れて煮沸消毒したら完成(パックが100℃までOKか要確認)。冷蔵庫に入れておいたら、かなり長期間保存できます。
65℃で燻煙しているので、スライスしてそのまま食べられます
−関連記事−
◆イノシシベーコンに関する過去記事1
◆イノシシベーコンに関する過去記事2
◆豚肉ベーコンの作り方
※当記事は2009年10月23日投稿の記事のリニューアルです。