2012年02月15日

鹿革の剣鉈袋

ここ何年か、脱毛処理した鹿皮のなめしを色々試しています。いわゆる革としての利用です。
このなめしにはミョウバンなめしは向かないとのことなので、タンニン、脳漿、油、燻煙などによるなめしを研究中です。

P2132825.jpg
油なめしを終えた段階

P2142831.jpg
燻煙なめし後、

で、今期の1頭目のメスジカの皮を油と燻煙でなめしたもので加工品を作りました。ちなみに、脱毛なめしはまだまだ実験中で、今回の革も1回油を入れて伸ばしただけなので、だいぶ硬い部分も残りましたが、お手軽なめしを第一に考えているのでそのまま燻煙して完成としました。
なめしに関しては、またもう少しデータが揃ってから記事にしたいと思います。

PB172632.jpg
この鹿の皮を利用

今回作ったのは、剣鉈を入れる袋です。腰からぶら下げる時は袋は必要無いですが、カバンの中などに入れておく時に使うためのものです。この剣鉈は鞘が木でできていて先にも穴が開いているので、意外と水がしみたり土が入ったりしてサビが出てしまうのが難点でした。

P2152834.jpg
この刃渡り7寸の剣鉈が

P2152833.jpg
鞘ごと入ります

作り方はいたって簡単。サイズを測り、長方形に切って麻糸で縫うだけです。私がなめした鹿革は市販の牛皮などと比べると格段に薄いので、事前に穴をあけたりする必要もなく、普通に太めの針でぬうことができます。口を縛る部分の紐は、なめしがうまくいかなかった端の部分を細長く切ったものを三つ編みにして利用しました。人にプレゼントしたりするなら、この紐の先に鹿角のボタンでもつけるのでしょうが、自家用なので面倒くさいのでやりませんでした。

P2152837.jpg
無事完成。製作時間は約2時間でした

ちなみに、今回なめした革は手足首の部分は事前に切り落として四角にしたものでした。で、今回の剣鉈袋を作るのに使った革はその約半分。これから考えると、普通に使えるカバンなどを作ろうとするならば最低でも2頭分の革は必要になりそうですね。

では、また何か作ったら記事にしたいと思います。
posted by 豆狸 at 00:17| Comment(4) | 狩猟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめてこのブログを開きました。
作者さんの考え方に共感するところが多く、
また、勉強になるな〜と思って
読ませて頂いています。
本日、猟期の最終日ですよね。
今期もお疲れ様でした!


Posted by yaritanago at 2012年02月15日 17:09
おお!革製品を自作!wwwwww
オレ食べることばっかり考えてたことに気づいたwww
Posted by もじゃ男 at 2012年02月17日 18:55
yaritanagoさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
あまり更新しないブログですが、今後ともよろしくお願いします。
ちなみに、私の暮らす京都では、シカ・イノシシに限り猟期が1ヶ月延長となっています。今はワナは入れていませんが、時間があればもうちょっとやろうかとも考え中です。

Posted by 豆狸 at 2012年02月23日 01:22
もじゃ男さん、こんばんは。
まあ、命を奪う以上なるべく無駄なく使いたいなと日頃思ってますが、私も肉を食べるのが精一杯で、内臓や毛皮は山に返すこともしばしばです。

Posted by 豆狸 at 2012年02月23日 01:27
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]