2006年11月21日

イノシシの肉以外の利用

解体をした時に、まあ肉はバラ肉、ロース、モモ肉、ヒレ肉、タン、テン肉(ホッペ)等に分けて小分けにしてパックするのですが、今回は内臓も丁寧に処理してみました。去年までは友人でホルモン好きなやつがいたので、彼に一任して、私は心臓とレバーを利用するくらいでしたが、その友人が引っ越してしまったので、自分でやることにしました。今回は心臓、レバー、ハラミの他に、あんまり食べられることのない肺、腎臓も取っておきました。今度時間のある時にモツ煮にしようと思います。

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臓器いろいろです

消化器系では、胃と大腸と小腸です。これは内容物をホースなどできれいに洗い去り、開いて裏返しにしてひたすら洗います。塩で何度ももみ洗いするのがよいです。洗濯機で洗ったこともあります。これらはさらに調理の祭にゆでこぼしながら生姜など薬味をたっぷり入れたホルモンスープにでもしようかと。
あとは、レバーにへばりついている胆のうはストーブの上にぶらさげて干しています。胃の薬になります。「熊の胆」が手に入らない地域の山村では昔から「猪の胆」が利用されていたそうです。すごく苦いです。

大腸小腸.JPG
がんばって洗いました

皮は毛を湯引きして酢みそで食う地域があったり、そもそも皮を剥かずにバーナーで毛を焼いて皮付きで精肉する地域もありますが、当地では捨てます。
何度か鼻や耳の毛を抜いて食べたことはあります。まあ、沖縄のミミガーのようでおいしいのはおいしいですが、やや手間がかかります。足先も同様に捨てます。前に知り合ったヨーロッパの猟師はシカや猪の爪を取り除いて服のボタンにしたりするそうです。

あと、頭部と背骨、その他の肉をはずした骨はすべて大鍋でひたすら3日3晩煮込みます。すると乳白色のおいしそうな豚骨ならぬ猪骨スープができあがります。
これは可能な限り濃縮させてから小分けにできる状態にして冷凍しておくといろいろ料理に使えて便利です。去年はこれに塩、胡椒等を大量に加えて濃縮スープのもとのようにして冷蔵保存してみましたが、先日まで何の問題もなく利用できてました。

シシスープ.JPG
白濁してきた薪ストーブの上のシシスープ

なんだか、長々と書いてしまった…。項目を分けたら良かったかな。
posted by 豆狸 at 23:07| Comment(6) | TrackBack(0) | 狩猟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
西表島で猪狩りの手伝いをしたときも、胆嚢は糸で縛って軒下にぶら下げていました。数十個の胆嚢が干してある光景は、はじめてみたときは正体がわからず、釣り用の鉛の錘かと思ってしまいました。
私は厄介にはなりませんでしたが、やはり胃腸中心の万能薬として使ったいましたよ。厄介になった仲間も猛烈に苦いといっていまし(^^。
Posted by かけ出しの百姓 at 2006年11月27日 21:34
あれは確かにかなり苦いですねえ。
知り合いの薬剤師は、熊と猪でも胆のうの成分はほとんど変わらないはずだけど、常温での融点が違うので(熊の方がどろっとなりにくい)、珍重されたのでは?と言ってました。あとは、熊の方が冬眠で胆のうに胆汁たたくさんたまるのでそれが重宝されたのかも知れません。

あと、北海道のアイヌの知り合いは熊の胆のうの代わりに同じような苦みを持つキハダの木の皮を煎じて胃腸薬に使ってました。伝統的に行われている方法だそうです。
Posted by 豆狸 at 2006年11月29日 01:47
はじめまして、豆狸さん紹介のTV 最近見させていただきました。 私は今まで魚つり、投網(海でのスズキ)、貝堀(じゅれんでのシジミ)など、海のものばかりでしたが、野生動物の繁殖でいろんな被害が出ているVを拝見して 今まで考えてもいなかった狩猟に興味をもちました。 これから、著作されている本を読破し、知識を蓄えて挑戦したいと思いますが、歳が65を迎えますので、山での活動ができるのか? 体力の方も合わせて鍛える必要があります。師匠がいないため、 わからないことがありましたら質問させていただきますので、宜しくお願い致します。
Posted by じゅきゅじそく at 2016年01月06日 11:07
はじめまして!
お隣滋賀在住のキャメイといいます。
家の周りが田んぼで、家庭菜園が毎年被害にあい、昨年ワナの免許を取り、4日前からワナを仕掛けました。本や動画も拝見して学ばせてもらっています。ありがとうございます。

くくりワナ暦4日なので、右も左もわかりません。
私の属する支部は4人ほどの小さな支部で、しかも鉄砲ばっかりでワナの先輩もいません。

そこで、お手数ですが、先輩として、いくつかお教え下さい。お願い致します。

@豆狸さんはいくつのワナを仕掛けていますか?

A毎日の見回りに平均どのくらいの時間がかかりますか?(獲物がかかっていない場合)

B私の仕掛けたところ、鹿の足跡だらけですが
今日雪が降ったのですが、足跡無し・・・。
またくるでしょうか?

C秋は近所でちょくちょく見かけましたが、最近寒くなるとぜんぜん見ません。雪が降ると鹿やイノシシはもっと山奥か洞穴の中などに行きますか?

D鹿とイノシシの獲れる比率はどんな感じでしょうか?

愚問ばかりですが、よろしければお教え下さい。

ありがとうございます。

キャメイ
Posted by シーバスハンターキャメイ at 2016年01月20日 13:20
じゅきゅじそくさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
狩猟は80代の方でも現役でバリバリ活躍されている世界ですので、60過ぎてからでもやる気さえあれば大丈夫だと思います。ただ、危険も伴う営みですので、くれぐれもその点はご留意下さい。
なかなかすぐにはお返事できないかと思いますが、質問などはお気軽にしてください。
ではでは、今後ともよろしくお願いします。
Posted by 豆狸 at 2016年01月22日 20:09
シーバスハンターキャメイさん、はじめまして。
ご質問ですが、
@わなはだいたい解禁から1ヶ月位のピークの時期で20丁前後です。ひとつの山に5〜10丁で、それを2〜3山という感じです。
A30分〜1時間くらいです。
Bその情報だけでは確証はできませんが、たくさん足跡があるのならまた来る可能性は高いと思います。
C季節によって行動は変わりますが、厳冬期は比較的日当たりのよい暖かい斜面で寝ていたりすることが多いです。
Dだいたいイノシシ1:シカ2位のことが多いですが、今年は同数でした。

とりあえず、以上です。
ではでは、今後ともよろしくお願いします。
Posted by 豆狸 at 2016年01月22日 20:17
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