落ち葉の積もった辺りに1本だけ生えていました
傘の裏を見るとイグチ科のキノコの特徴。「イグチ科のキノコは毒キノコが少ないとよく言われているけど、確か黒いイグチで毒があるキノコが発見されたっていうニュースがあったような・・・」と気になって調べてみると、ミカワクロアミアシイグチというのがその毒キノコのようで、「ヒサカキの生える林に発生」との記載が。我が家の裏山はヒサカキだらけで、春はヒサカキの花の何とも言えないニオイに山中が包まれるくらい。写真を見ても確かに似ているし、これは毒キノコかなーと思って詳しい人に尋ねたところ、
「ムラサキヤマドリじゃないの?」
との返答。ムラサキヤマドリというとアカヤマドリなどと並んで、ヨーロッパなどで人気のあるポルチーニと呼ばれるヤマドリタケの仲間です。アカヤマドリは以前に何度か採取した事はありましたが、ムラサキヤマドリは見たことすらありませんでした。で、改めて図鑑などで調べてみたところ、ミカワクロアミアシイグチよりもムラサキヤマドリタケに特徴が一致。特に決め手になったのは、ミカワクロアミアシイグチは傘のひだの部分に傷を浸けると赤から黒に変色するとあったのに、このキノコは一切変色しなかった点です。
実は美味しいキノコ!
ひだに傷を付けても変色せず
という訳で、毒キノコの疑いは晴れ、食べてみることに。ちなみに、他にも黒い色のイグチ科のキノコはいくつかありましたが、それらは柄の網目や他の特徴で違うという判断ができました。
スライスするとこんな感じ
柄の部分は若干虫にやられていましたが、傘の部分はかなり身が詰まっていていい感じ。で、ごま油で炒めて塩コショウを振っていただきましたが、旨味がすごい!これは間違いなくおいしいキノコです(毒も多分ない(笑))以前、北海道でハナイグチ(向こうではラクヨウと呼びます)採りに連れて行ってもらって、イグチ科のキノコの美味しさにびっくりしたのですが、今回も改めてイグチの底力を感じました。
とりあえず、またひとつ同定できるキノコができたのも収穫です。天然キノコは難しすぎるので、本格的にきのこ狩りをやるのは老後の楽しみだと思っていますが、こうやってちょっとずつ覚えていくのもよいですね。
※天然キノコの同定・判別は大変難しい物が多く、詳しい方でも間違えることもあります。自分が採取したものを食べるときはくれぐれも慎重に自己責任でお願いします。
遠目に見てマスタケ!と思って近づいたら、シロカイメンタケで残念