2016年05月02日

イタドリ

イタドリのシーズンもボチボチ終わりです。私の祖母の故郷である高知では大人気の山菜でスーパーで売られていたり、みんなめいっぱい採って塩漬け保存するくらいだそうですが、関西ではせいぜい子どもたちがポキっと折って皮剥いて齧って、「すっぱ〜っ!」と言っている程度の雑草扱いです。

しかし、新芽は食用になるし、葉っぱは野草茶や代用タバコにもなるし、茎に巣食うイタドリ虫は渓流釣りの一級の生き餌になるし、秋の花はミツバチ達の貴重な蜜源、といいとこずくめなのがこのイタドリです。

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晩ごはん分収穫

食べるためのイタドリは、葉っぱがあんまり開いていないものを採ります。育ち過ぎのものは筋っぽくなってきます。サイズが大きくても葉っぱが開いていなければ下の方まで柔らかいので、根元のほうでポキっと折り採ります。ちなみに、イタドリはかなり大きくなる多年生の野草で、昨秋に枯れた地上部が春にもまだ残っています。なので、それを目印に探せば簡単に見つかります。

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皮を剥きます

採ってきたイタドリは皮を剥きます。写真のように簡単に剥けるものとすぐにちぎれて剥けにくいものがあります。その違いがある理由はよくわかりませんが、剥きにくいものはピーラーを使って剥けばよいです。

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皮を剥き終わった綺麗な緑色のイタドリ

皮を剥き終わったら、3〜4センチくらいに切って、塩をひとつまみ入れた熱湯に投入します。そして、いろがちょっと黄色っぽくなってきたくらいでザルにとって水にさらします。その後、しばらく水につけておきますが、あまり長時間浸けておくとイタドリの持ち味の酸味が抜けきってしまうので、普段は1時間程度でやめています。ちなみに、この工程はアク抜きというよりは、イタドリの酸味のひとつであるシュウ酸を抜くためです。粗塩で板ずりしてもシュウ酸は抜けるそうです。

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これくらいの色になったらお湯から上げます

イタドリの調理法としては、炒め煮にすることが多いです。イタドリだけで炒めたり、肉や油揚げと合わせたりします。味付けは、醤油と味醂、砂糖、日本酒で、イタドリの酸味と合わさって甘酢煮のような味になっておいしいです。あとは、イタドリのきんぴらも有名です。

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今回はイノシシのバラ肉と一緒に

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定番の炒め煮にしていただきました


−関連記事−
◆イタドリの塩漬け保存

◆蜜源植物イタドリ

◆イタドリに関する過去記事
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2016年04月29日

アサリの砂抜き

先日、今シーズン最初の潮干狩りに行ってきました。友人家族と一緒に小さい子どももたくさんいたので、お手軽な有料潮干狩り場です。なので、普段は苦労するアサリが今回はたくさん捕れました(笑)
さて、そんなアサリの持ち帰りと砂抜きの方法をまとめました。

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家族みんなでたくさん捕ったアサリ

1・まず、潮干狩り中に捕ったアサリは気温が高くない時期は、海辺に容器とザルを持って行って綺麗な海水をひたひたに入れて、ざっと砂抜きさせておくのがおすすめです。長時間こうする場合は、数時間ごとに海水を入れ換えましょう。こうすると、帰宅後の砂抜きがぐっと楽になります。ただ、気温が上がってくると、容器の中の海水温が上がってアサリが弱ってしまうので、さっさとクーラーボックスに入れてしまったほうがいいです。

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アサリはいろんな模様があって見ていて飽きません

2.アサリを持ち帰る時には、水道を使える場所があったらざっと洗います。陸に上げたアサリはしっかりと閉じているので、少々の真水で洗っても弱りません。アサリ同士をこすり合わせるようにザラザラと音を立てて洗いましょう。こうすることで、アサリの表面についているヌメリとそれに付着している砂を落とすことができます。また、海の魚介類に付着している腸炎ビブリオ菌などの雑菌は真水に弱いので、その対策としても意味があります。

3.アサリの持ち帰りは必ずクーラーボックスに保冷剤と一緒に入れます。ただ、保冷剤と直接触れるとアサリが弱るので間に新聞紙などを挟みます。あと、クーラーボックスには海水は一緒に入れてはいけません。海水に入れるとアサリは呼吸管を出しますが、車の振動などで急に貝を閉じて自分で自分の呼吸管を切断してしまったりします。また、汚れた海水を何回も吸うことで弱ることもあります。陸に上げたアサリは、涼しい環境に置いておけば、1日くらいは問題なく生きています。

4.あと、帰宅後の砂抜きのために、ペットボトルに現地の海水を汲んで帰ります。海水は持ち帰るのが面倒なら3%食塩水を作っても良いですが、やはり現地の海水のほうがアサリは元気に活動します。

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こういうザルやカゴを使うのが良いです

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アサリをなるべくまんべんなく並べます

5.帰宅したら、大きな容器にザルを入れて、その中にアサリを入れます。そして、そこにヒタヒタになるくらいに海水を入れます。こうして涼しい時期なら一晩くらい、暑くなってきた頃なら数時間くらい放置します。ザルに入れるのは、吐き出した砂を再度吸い込まないためです。また、なるべくならアサリ同士は重なり合わないようにします(今回はたくさん捕れたので、おもいっきり重なってしまってますが…)。
ちなみに、この時に海水が多めにあったら、ザルを浮かせて下からエアーポンプで空気を送るとかなり効果的です。アサリも酸欠にならず元気に動きますし、水流で砂がどんどん下に落ちます。まあ、アサリでは普通はここまでする必要はありませんが、砂の抜けにくいバカガイなどにはかなり効果的な方法です。また、今回のようにアサリが重なるくらいたくさん捕れた時はエアーポンプを使うのが無難です。
なお、砂抜き時には必ず蓋をしましょう。アサリは暗いほうがよく活動するのと、海水を吹き出すので周りが水浸しになるのを防ぐためです。

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海水に浸けるとボチボチと呼吸管とベロを出してきます

6.砂抜きが終わったら、次は塩抜き。水から上げたばかりのアサリは、貝殻の中に海水を溜め込んでいるので、それを吐き出させる工程です。これをそのままにしておくと、調理する段階で変にしょっぱくなってしまいます。そのやり方は簡単で、水から上げて室温で1時間ほど放置するだけ。そうすると、勝手に水を吐きます。

7.塩抜きまで終わったら、真水でこすり洗いをします。こうすることで、貝殻の表面に付着している砂までしっかり落とすことができます。
なお、この段階で空っぽで閉じてるだけのアサリや砂が詰まったアサリ、弱ったアサリなどをしっかりと選別しておきましょう。砂の詰まったアサリが1つ紛れ込んでいるだけで、その料理はすべて台無しになってしまします。アサリの選別については別記事で詳しく書いています。

8.あとは、適当な容器やストックバッグなどに入れて冷凍します。冷凍する前に室温で6時間ほど放置したほうが旨味が増すという話がありますが、実際に比較してみたことがないのでよくわかりません。

さてさて、これでしばらくはアサリ三昧の日々です。


−関連記事−
◆採ったアサリの選別

◆バカガイの砂抜き
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普通のキクラゲ

先日、雨の上がったあと、家のそばの原木置き場を眺めていると、2年ほど放置している木からキクラゲが出ているのを見つけました。薪用に様々な樹種の原木をもらってくるのですが、節があってなかなか割れないものなどは、家のそばの山際に積み上げて放置してあります。
本当はしっかり割って薪にした方がいいのかもしれませんが、そういう木を放置しておく利点もあります。
それが、勝手に生えるキノコです。2年ほど前はエノキタケが大量に発生しましたし、今回のキクラゲはしばしば出てきます。あとは、色んな昆虫が産卵などに寄ってきます。昨夏は、ルリボシカミキリが大発生していて子どもたちが喜んでいました。

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雨の後だったのでプルプルです

アカメガシワの木を放置しておくと大概はアラゲキクラゲが生えます。他に山のなかで見かけるのもこの辺りではアラゲが圧倒的に多く、毎回は採らないくらい一般的なキノコです。今回の普通のキクラゲはそれよりは珍しいので収穫しました。何の木に生えていたのかは樹皮もぼろぼろだったのでよくわかりませんでした。

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ちょこっと収穫

収穫したキクラゲは大した量じゃなかったので、生で食べても良かったのですが、この日は夜は出かける予定だったので、乾燥キクラゲにしました。天気の良い日に1日干しておくとカラカラに乾きます。

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ザルに並べて天日干し

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乾燥したらこんなに小さくなります

乾燥したキクラゲはペラペラで、肉厚なアラゲキクラゲの乾燥品と比べると頼りない感じです。ちなみに、市販品の乾燥キクラゲはアラゲキクラゲを使っていることが多いそうです。
キクラゲとアラゲキクラゲ、せっかく乾燥品が2つ揃ったので、今度食べ比べでもしてみようと思います。

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保存してあるアラゲキクラゲの乾燥品

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こちらは今回の乾燥キクラゲ


−関連記事−
◆アラゲキクラゲ
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2016年04月26日

タケノコ

春の山菜(?)の代表格がタケノコです。“雨後のタケノコ”の言葉通り、先日の雨でどんどん出ていました。当然のことですが、竹林には所有者がいて、タケノコ販売を商売にされている方もいるので、そんな竹林で無断に採ってはいけません。ちゃんんと持ち主が了承している場所で採ります。
タケノコ掘りの達人は地面の盛り上がりや割れ目などでそれを見つけ、朝暗いうちに採ります。これがいわゆる“朝堀りタケノコ”で、エグみの少ないよいタケノコが採れます。でも、私は素人なので、頭が数p出ているものを探します。
ちなみに、自然界のタケノコ掘り名人であるイノシシは、タケノコがずっと地中にある冬の12月頃からタケノコ掘りを始めています。

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ちょっと出過ぎかな

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これは論外(笑)

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手頃なサイズのタケノコ4本

タケノコは山菜掘り用のナイフとクワで採ります。タケノコ掘りで使うクワは普通のクワよりは細身で長くなっています。これは、硬い地面を側面からタケノコの根本まで貫通させるためです。


たけのこ掘り鍬(大)

私が使っているのクワは、上記の写真のようなタイプですが、お仕事でされている方の中には下の写真のような本格的なクワを使っている方もいます。


讃岐型竹の子掘り鍬

タケノコは普通にスコップなどで掘るのはなかなか難しく、また周りを掘ったところで普通のナイフではなかなか掘り起こせません。
私はタケノコを見つけたらその片面を山菜掘りナイフで掘ります。クワで掘ってもかまいません。で、タケノコの側面の皮の部分の下の根っこが生える赤いぶつぶつがある部分が見えたら、クワの先をやや斜めにそこに当て、鍬を竹の子を切断するように蹴りこみます。
で、奥まで入ったら、それをテコの原理で動かしてタケノコの根本を切断します。ちゃんと切れたら、タケノコの頭を引っ張ると引っこ抜けます。

採ったタケノコは放置するとエグみが増すので、なるべく早めにアク抜きをする必要があります。
その方法は以下の通り。

1.上のほう5分の1くらいを斜めにカットし(皮の部分)、中心の空洞部分に届くくらいに縦に切れ目をいれます。こうしたほうがお湯が中まで入るので、アクが抜けやすくなります。

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こんな感じでカットします

2.それを、米ぬかを一握りとタカノツメを数本入れた熱湯で2時間ほどゆでます。ゆで終わったら、そのまま一晩放置します。

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米ヌカとタカノツメ

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薪でやるとガス代が節約できます

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茹でてる合間にワラビ採り

3.最後にそれの皮をむいてよく洗ったらアク抜きは完了です。

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きれいにヌカを洗い落とします

アク抜きを終えたタケノコは、ボールや鍋などに冷水を入れたものに浸けて保存します。冷蔵庫の中に入れて、1日1回は水を変えるようにします。ただ、かさばるので、クーラーボックスに水と氷を入れて、そこに浸けておくという方法もあります。

タケノコの季節は、自分で掘るだけでなく、いろんな方からいただいたりもするのでなかなか忙しいです。食べ方も、木の芽和えや若竹煮、天ぷらに筍ご飯、八宝菜や焼きタケノコなど、色んなバリエーションがあって楽しめます。


−関連記事−
◆タケノコの瓶詰め保存
◆タケノコに関する過去記事

◆ハチクのタケノコ
◆マダケのタケノコ

◆竹皮の利用(マダケ)


※当記事は2006年4月18日投稿の記事のリニューアルです。
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タケノコの瓶詰め保存

山菜のたぐいは大概、旬の時期が短くあっという間に終わってしまいます。それ故に乾燥させたり塩蔵したりと色々保存法があるのですが、タケノコは特に1個あたりが大きいので、たくさん採れたらホントに食べきれないので、傷まないうちに保存する必要があります。

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アク抜きの終わったおいしそうなタケノコ

そのタケノコの代表的な保存法が瓶詰めです。以下、タケノコの瓶詰めのやり方です。

1.しっかりとアク抜きしたタケノコを使いやすいサイズにカットします。タケノコの隙間にヌカなどが詰まっていると臭くなるので、カットしてからもう一度しっかりと水洗いします。

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使いやすいサイズにカット

2.カットしたタケノコをガラス瓶に詰め、水をなみなみまで注ぎます。それを水をたっぷり入れた大きな鍋に入れて、火をつけ、煮沸殺菌します。この時は必ず冷水から入れること。沸騰したお湯にいきなり瓶を入れるとガラスが割れてしまいます。あと、この時に横に蓋も沈めておくと蓋も殺菌できてよいです。蓋の溝やラバー部分に雑菌が付着しやすいので。

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大きな鍋に入れて煮沸殺菌

3.沸騰してから20〜30分経ったら、蓋をして再度煮沸します。この時に、瓶を逆さにしたり、横向きにしたりして、蓋の部分がお湯に浸かるようにすると良いです。

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蓋をして再び煮沸

4.あとはお湯から取り出して、逆さまにして冷ましたら完了です。逆さまにするのは蓋と瓶の隙間にも熱湯がいくようにするためですので、煮沸段階で蓋部分の煮沸殺菌が済んでいれば敢えてやる必要はありません。
こうして保存した瓶詰めタケノコは、缶詰のようなものなので、常温で長期間保存可能です。

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鍋から出して、冷ましたら完成

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短期間の保存なら、濃い味付のメンマ風佃煮もオススメです
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2016年04月25日

コシアブラのごま和え

我が家のあたりでは、ぼちぼちコシアブラのシーズンは終わりです。コシアブラは木によって新芽の出るタイミングが同じ山でも結構ズレるのですが、その最後の木の新芽ももうこんなにのびていました。

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今シーズン最後のコシアブラ収穫

これくらい育ったものは天ぷらでギリギリ、おひたし系はちょっと繊維が気になり出すくらいですが、天ぷらには飽きたので、ごま和えにしました。まあ、細かく刻めばなんとかなるレベルです。

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天ぷらの時はそのままでいいですが、茹でて食べる時はハカマを取ります

コシアブラのごま和えの作り方は単純です。塩をひとつまみ入れた熱湯に放り込んでサッと茹でる。茹で過ぎるとクタクタになります。それを水に軽くさらしてからよく絞ります。

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はかまを採ったやや育ち過ぎのコシアブラ

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サッと茹でたあと、水にさらす

水気をよく切ったら、それを細かく刻みます。もっと若い新芽の場合は刻まなくても食べられます。
あとは、すりごまと醤油を適量混ぜれば完成です。だし醤油でやるのもよいです。
普通におかずにするのもよいですし、炊きたての御飯に混ぜ込んで、ウコギ飯風にして食べるのもおすすめです。

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細かく刻んで、

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すりゴマと醤油を混ぜ込めば完成
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2016年04月19日

ナメコ栽培

今春は、シイタケと一緒にナメコの菌打ちも行いました。原木には、昨年末に伐採したケヤキを使用しました。ナメコの原木というとサクラが最適ですが、原木栽培きのこの菌打ちの適合表などを見るとケヤキでもいけるようなので、初チャレンジです。

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子どもたちも菌打ちは楽しいようで、トンカチの取り合いです

栽培法は基本的な部分はシイタケと同じなので、シイタケ栽培の記事を参照してください。使った種駒菌はいつも通りの「森菌」です。シイタケと違うのは、太めの原木を短く切って使う短木栽培がオススメな点です。ナメコはシイタケよりも湿気が多い条件を好むため、地面に接した状態で本伏せとなります。
短木栽培の場合は、原木の切断面になるべくたくさん菌を打ち込むようにします。これは、切断面から雑菌が入るのを防ぐ目的もあります。

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使ったのはナメコの種800コマ


ナメコ種駒【なめこ種駒400個】

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切断面にたくさん打ち込みます

菌を打ち終えた「ほだ木」は日の当たらない林内などにおき、その上にスギやヒノキの枝などをかぶせて放置します。最初はびっしょり水をかけておきます。また、その後の天候を見て、最初の1週間は適宜散水します。これを「仮伏せ」といいます。シイタケの場合は、その後、ほだ木に菌が回ったら採集設置場所へ移す「本伏せ」がありますが、湿気を好むナメコの場合は、仮伏せした場所にそのまま置いておくことが多いです。ほだ木に菌がしっかりと回ったかどうかは、種駒のまわりに白い菌が見えるかどうかで判断できます。全然白くならない場合は、乾燥し過ぎの可能性が高いので散水します。

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しっかりと散水してから、スギ・ヒノキの葉っぱ、寒冷紗などをかぶせます

今回の場所は、これまでのナメコのほだ木置き場よりはやや乾燥気味の場所なので、夏場は乾燥具合を確認して、寒冷紗などを掛けることになるかもしれません。

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2年前に菌打ちしてこの冬に発生したナメコ

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かわいらしい傘が開く前のナメコ


−関連記事−
◆「なめ茸」の作り方
◆ナメコの猪汁

◆2006年菌打ちの記録
初発生(20061201) 初収穫(20061213) ナメコ続々発生(20071206)
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2016年04月18日

コシアブラ

今朝、庭の掃き掃除をしていて、ふと思い出して2年前に芽を出した実生のコシアブラの幼木をチェックするといい感じに若葉が芽吹いていました。この幼木は我が家と裏山の境目の斜面に生えているので、かろうじてシカに気づかれずに生き延びています。最近の山の中では、なんでも食べるようになったシカに必ず齧られるので、コシアブラの幼木が育っているのはほとんど目にしません。

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コシアブラの幼木。新芽はわずか一つだけ

そして、この幼木が芽吹いているということは、他のコシアブラの木も食べ頃の新芽がたくさん出ているということ。いつも収穫しているコシアブラの木はいくつかありますが、今回は、昨秋に猟場を歩いている時にコシアブラの落ち葉を見つけたエリアに行ってみることに。現地について空を見上げると、美味しそうに若葉を広げ、特徴的な赤い柄の付いたコシアブラの新芽があちこちにあるのが目に入りました。

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特徴のある葉っぱです

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よく茂った葉っぱが見えるとうれしくなります

同じウコギ科の山菜であるタカノツメの記事にも書きましたが、コシアブラの木も探すには新芽の時期よりも、落葉の時期にチェックしておくのがおすすめです。白っぽい黄色の落ち葉は秋の森ではとても目立ちます。ただ、その時期は猟のシーズンでもあるので、その点は頭に入れておく必要があります。

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晩ごはんの天ぷら用に採取

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若葉がこれくらい出ているのが食べごたえがあります

コシアブラの食べ方はやっぱり天ぷら。タカノツメよりも大きいので食べごたえがあり、ほろ苦さもやや少なめで旨味があり、万人受けする味だと思います。ただ、その分最近はタラの芽よりも人気がある地域もあるそうで、乱獲が一部で問題にもなっています。強引に枝を引っ張って枝自体を折ってしまったり、ノコギリで木を切って新芽を採取する人までいるそうです。また、コシアブラは新芽の数自体が木の大きさに対して少なめで、採りすぎると結構簡単に木自体が枯れてしまいます。
他の山菜も同様ですが、節度ある採集が求められています。

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定番のコシアブラの天ぷら

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掘ってきたタケノコと原木シイタケも一緒に


−関連記事−
◆コシアブラのごま和え
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2016年04月17日

タカノツメ

裏山で何度かタカノツメの新芽を収穫しました。タカノツメは、山菜好きの間で人気のあるタラの芽やコシアブラなどと同じウコギ科の植物で、この2つとよく似たほろ苦い春らしい風味を味わえる山菜ですが、そこまでメジャーじゃないので競争相手も少なく採り放題です。

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ちょうど採り頃のタカノツメの新芽

タカノツメはコシアブラの木と同じく枝がとても柔らかいので、ちょっと木に登ったり、棒などで引っ掛けたりして枝を手が届くところまで曲げて採る事が多いです。あまり強引にやると折れてしまうので、そのへんは注意が必要です。また、その枝から出ている新芽をみんな採ってしまうと木へのダメージが大きいので、大きめの芽をいくつか摘む感じで採取します。

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綺麗な緑色の新芽です

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定番の天ぷら

タカノツメという名前は、新芽がまだ開いていない時の感じが猛禽類のタカの爪によく似ているところから来ているそうです。タカノツメというと唐辛子のタカノツメを思い浮かべるひとが多いと思いますが、全く別物です。タカノツメの木は新芽の時期にも慣れたら簡単に見つけられるようになりますが、一番発見しやすいのは落葉の時期です。白っぽい黄色の3枚葉の落ち葉があったら、それはまずタカノツメで間違いありません。同様にそんな感じの5枚葉の落ち葉があればそれはコシアブラです。この2つの落ち葉は秋の雑木林では結構目立つので、その時期にチェックしておけば、春の山でずっと上を見上げて首が痛くなるということもありません。

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この感じがタカの爪によく似ているとか

ちなみに、タカノツメは若芽が出た後に緑色の目立たない花を咲かせますが、ミツバチなどがたくさん集まる春の里山の重要な蜜源植物です。蜜源植物としてのタカノツメに関する記事はこちらです。

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開いていないものも食べます

食べ方としては、やっぱり天ぷらが一般的です。芽が開いていないものは大きさも小さく食べごたえはありませんが、春の苦味が詰まっていておいしいです。ただ、やっぱり天ぷらにして見た目も綺麗なのは若葉がある程度のびた芽です。天ぷら以外では、お浸しなんかにしても意外といけます。

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開いていない芽も揚げると開きます

こういった木の新芽というのはホントに収穫できる期間が限られているので、油断するとあっという間に時期が終わってしまいます。でも、その分、森のなかで空を見上げた時に食べごろの新芽がたくさん見えた時はなんとも嬉しい気分になります。

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一緒に食べたイノシシの肩ロース肉


−関連記事−
◆タカノツメに関する過去記事
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2016年04月13日

ニリンソウ

庭でどんどん増殖しているニリンソウが開花期を迎えたので、一掴みだけ収穫しました。ニリンソウは葉っぱの形が猛毒のトリカブトとよく似ていて、混生していることもあるので、開花期に採取するのが良いとされています。今回は、庭に生えているものを収穫したので、トリカブトと間違える心配はありませんが。

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群生と言ってもいいくらい庭で繁茂するニリンソウ

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晩御飯用に一掴み収穫

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こちらは猛毒のトリカブト

我が家の庭で繁茂するニリンソウの元株は、フェンスで囲まれた土地の群生地から移植したもの。シカが入らず良いポイントでしたが、数年前に造成されて宅地になってしまいました。
最近このあたりではニリンソウはなかなか見られません。ちょい毒ありなので、シカも好んでは食べないのですが、林床に他に良い草がないと食べるようです。まあ、近頃は猛毒のトリカブトまでかじるんだから、シカの食べられるものの範囲の広さはなかなかすごいです。

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3月頃に芽吹きます。最初は葉っぱは赤っぽい感じ

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葉っぱの真ん中からつぼみが出ます

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二輪の花が咲くのがその名の由来

今回収穫したニリンソウはごま和えにしました。ニリンソウは微量の有毒成分を含むので、湯がいてからしっかり水にさらし、その後調理するのがポイント。
ベーコンなんかと一緒に炒めものにする時も、いったん湯がいて水にさらしたものを使うのが無難です。開花期のしっかりした葉なら5分くらい湯がいてもシャキシャキ感は十分残ります。

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しっかりと水にさらして

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水気を切ってから程よいサイズにカットして

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すりごまと醤油で、ニリンソウのごま和えの出来上がり
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2016年04月12日

ヤブカンゾウ

ヤブカンゾウの採取時期が終盤です。だいぶ固くなってきているので葉っぱまで全部食べられるのは今の時期くらいまでで、このあとは食べるなら茎の白っぽい部分だけとなります。

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ちょっと育ち過ぎですが

葉っぱまで柔らかくおいしく食べられるのは、このあたりだと3月中旬から4月初旬くらいまでです。ただ、小さいものはたくさん摘まないと量が採れないのに対し、終盤のものは大きいので10本くらい採ってくれば手っ取り早く晩ごはんのおかずになるので、それもまた良しです。

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柔らかくておいしいのはこのサイズ

ヤブカンゾウの増殖力はすごいので、河川敷や草地などに群生しています。見た目は平べったく葉が生えるのが特徴的なので間違えることはないと思います。
生え際からナイフなどで刈り取ります。いくらでも増えるので群生地では遠慮する必要はないです。シカが増えている地域では食害で全滅したという話も聞きますが、この採取ポイントにもそこそこシカが来ていますが、現在のところは軽くかじられている程度です。印象としては、シカにとっては好みの草ではないけれど、食べ物が他になかったら食べる、というくらいのようです。

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こんな風に群生しています

ヤブカンゾウの食べ方としては、さっと塩をひとつまみ入れて湯がいてから醤油とマヨネーズで和えるのが定番です。鰹節をかけてもよいですし、ツナを加えるのも良いです。湯がいた後は水に浸けてさましますが、アクはないので水にさらす必要はないです。普通にゴマ和えなどで食べるのもありです。
きれいな緑と独特の食感がおもしろいですが、歯に当たるキュッキュッという食感が苦手な人は、細かい目に刻むと良いと思います。成長しすぎたこの時期の葉っぱも細かく切るのがよいでしょう。

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さっと湯がいてよく水を切って

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刻みます

夏に咲くオレンジ色の花は酒に漬けたり、干して保存して「金針菜」という中華料理の食材にもなります。その花は天ぷらにして食べてもおいしいです。

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今回は子どもたちも喜んで食べるツナ和えに


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◆ヤブカンゾウに関する過去記事1
◆ヤブカンゾウに関する過去記事2
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2016年04月08日

ノビルの味噌漬け

4月に入り、だいぶ暖かくなったので、ノビルを採りに行きました。3月に採った時よりも鱗茎がしっかりと太ってきていました。

前回のものは甘酢漬けにしたので、今回は味噌漬けにします。

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分けつを始めているものもあります

甘酢漬けにするときは、かるく塩もみをしますが、味噌漬けの場合は味噌に塩分もあるのでその必要はありません。よく洗って、適当なサイズに切って、適量の味噌に漬け込むだけです。

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利用するのは鱗茎の部分と

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茎の白っぽい部分

青い部分も別に一緒に味噌漬けにして食べられないことはないですが、アサツキなどと比べるとノビルの青葉は青臭い風味がきついので、白い部分だけにしておいたほうが上品に仕上がります。

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食べやすいサイズにカットしてストックバッグに

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味噌を入れて揉み込んだら完成

味噌漬けの場合、ちょっと揉み込んだほうが均等に漬かるので、瓶に入れるよりはストックバッグなどのほうが便利です。漬け込み期間ですが、そもそもノビルは鱗茎に味噌をつけてそのままボリボリ食べるようなものなので、一晩置いたらもう十分食べられます。あとは好みの問題ですね。
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2016年04月05日

ツクシの佃煮

ツクシを採ってきました。今春はこれで3回目。「土筆」の名前の通り、筆のような感じで今日も草むらをゆらゆら揺れてました。
1回目は卵とじ、2回目は天ぷら、と定番の食べ方をしましたが、今回はツクシのシーズンももうすぐ終わりということで、保存食であるツクシの佃煮を作りました。ツクシの佃煮はほろ苦いので酒のアテにもいいですし、シャキシャキした歯ごたえがラーメンとかに入れてもよくあいます。

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今回もたくさん採れました

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前回作ったツクシの天ぷら

以下、ツクシの佃煮の作り方です。

1.ツクシは適当に大きいやつを根元から摘み取ります。頭の部分はひらいててもかまいません。あそこから胞子をとばして、それが終わったら今度はスギナが生えてきます。スギナはスギナでお茶とかに出来ます。

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普通はこのようにハカマを取ります

2.摘んだツクシの処理は通常はハカマを取り除きます。ツクシの節ごとにあるギザギザのやつで、食べられないことはないですが、食感が悪いです。佃煮にする場合は、どうせ短く切るので、ハカマの部分だけをハサミでカットするという方法もあります。ハカマ取りの作業は指が真っ黒になり意外と手間のかかる作業ですが、ハサミを使うやり方だと手はほとんど汚れません。

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佃煮の場合は、このようにハサミでカットしても構いません

3.はかまを取り終わったら、よく洗ったあと、塩を一つまみ入れて数分湯がいてアク抜きをします。アクや胞子の色でお湯が黄緑色になります。

4.その後、数時間から一晩ていど水にさらします。この時間は、どれくらいツクシの苦味を残すか、なので好みで調節してください。

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湯がくとみずみずしくて美味しそうですが、それだけでは結構苦いです

5.軽く洗って水を切ったら、それをごま油などで軽く炒めて水気を飛ばします。最後は、みりん、料理酒、醤油、砂糖を適量加えて、落し蓋をしてコトコト煮詰めたら完成です。

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煮詰めすぎないように注意しましょう

以前は、「ツクシの佃煮なんだから長いままじゃないとダメだ」なんて言って、食べにくいのに長いままの佃煮をよく作っていましたが、最近は歳をとってきたのか、もっぱら食べやすい短いバージョンばかり作っています(笑)

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おいしく出来上がりました


−関連記事−
◆ツクシに関する過去記事1
◆ツクシに関する過去記事2
◆ツクシに関する過去記事3


※当記事は2006年4月1日投稿の記事のリニューアルです。
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2016年03月31日

アサツキ

10年ほど前にとある山からアサツキを一株だけ庭に移植しました。それがいまでは庭のいたるところで繁茂しています。あぜ道なんかに生えているアサツキは栽培品が脱走したやつなのか元々自生していた野草なのか区別がつかないことが多いですが、このアサツキは山際に生えていたものなので野草なのだと思っています。

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ちなみに、元々自生していた山のアサツキ群生地は増加したシカにより壊滅しました

冬は地上部は枯れていますが、春先からぐんぐんと育ってきます。よくノビルと混同されますが、慣れてくると違いが分かるようになってきます。個体差がありますが、地上部はアサツキの方がピンと立っているのに対して、ノビルのほうがゴチャッとした感じです。また、ノビルがわかりやすい感じで一株になっているのに対し、アサツキは雑然と群生している印象です。で、引っこ抜くと根っこがアサツキのほうが細かく、ノビルは太い。また、鱗茎もノビルが丸く膨らんでいるのに対して、アサツキはシュッとしています。あと、アサツキの鱗茎は、時期にもよりますが茶色い皮が付いています。花の時期にも区別ができます。

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引っこ抜くとこんな感じです

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水場できれいにお掃除

10年間、植え替えや施肥なんか一切していないので、栽培品のアサツキなどと比べるとずいぶん小さいです。食べ方としては定番は酢味噌和えです。さっと湯がいて刻んでから酢味噌と和えるだけです。酢味噌は味噌、お酢、みりんを同量ずつくらい適当に混ぜ合わせて、好みで砂糖を足します。

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茹でるときれいな色になります

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アサツキの酢味噌和えの出来上がり


−関連記事−
◆アサツキに関する過去記事1
◆アサツキに関する過去記事2
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2016年03月22日

シイタケ栽培

昨年末、伐採を頼まれた木の中にクヌギがあったので、手頃な太さのものを15本ほどシイタケの菌打ち用に取ってありました。シイタケ栽培に使う樹種はコナラやクヌギが用いられるのが一般的です。これまでアラカシ、クリにも菌を打ったことがありますが、やはりコナラ、クヌギのほうがよく発生したように思います。

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ちょっと乾燥気味のクヌギの原木

原木を伐採する際は、本来はその木を伐倒したら、その場所で枝葉の付いた状態で1〜2ヶ月乾燥させたあとに玉切するのが良いです。これは、急激な乾燥と木口からの雑菌の侵入を避けるためです。ただ、なかなか頼まれた伐採などでは、そんなことはできないので、1mくらいの長さに玉切りして保存することになります。菌打ちまでの保存は林内に置いて雑菌を防ぐ作用のあるスギの葉などをかぶせておくのが良いとされています。なお、伐採の適期は秋から冬で、伐採時になるべく樹皮などに傷をつけないほうが良いです。

原木の準備が済んでいれば、菌打ちは秋から春頃まで可能なそうですが、私の場合は猟期のピークが過ぎ、時間の出来る2〜3月にやることが多いです。なので、原木がいつもちょっと乾きすぎている気がしていますが、それでもほとんどの原木からちゃんとシイタケは発生しています。

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定番の「森菌」と専用ドリルビット

さて、今回もいつも通りの「森菌」を使用しました。シイタケ以外にもナメコやヒラタケなど様々な種駒が販売されています。なお、市販されているシイタケ菌は何種類かあって、メーカーごとに種駒のサイズが違い、そのため菌打ちする際のドリルの直径も変わってきます。なので、それぞれ専用の種駒用キリが売られているので間違えないようにしないといけません。ホームセンターのキノコ栽培用品売場にキノコの種駒菌と一緒に売られています。専用のドリルビットは穴を深く開けすぎないようにストッパーが付いているのが特徴です。


シイタケ種駒【しいたけ種駒400個】


種駒用キリ【種駒専用キリ9.2mm・丸軸】

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種駒はこんな感じで菌が回ってひっついているのをほぐして使います

菌打ちは、原木にドリルで穴を空け、そこに種駒菌をつっこみ、トンカチでたたくだけの単純作業です。原木に空ける穴は、千鳥足の要領で空けていきます。ジグザグな感じです。横幅が5cm、立て幅が15cmくらいです。種菌をつっこむ際は、手をきれいに洗いましょう。椎茸菌はニコチンに弱いらしいので、特に喫煙者は念入りに。あとは、しっかり奥まで入るようにトントンたたくのみです。

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千鳥足状に穴をあけるというのはこんな感じです

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しっかり入るまでトントンたたく(写真はナメコの菌をケヤキに打っているところ)

菌を打ち終えたら、「原木」が「ほだ木」という呼び名に変わります。
で、そのほだ木を日の当たらない林内などに重ねておき、その上にスギやヒノキの枝などをかぶせて放置します。最初はびっしょり水をかけておきます。また、その後の天候を見て、最初の1週間は適宜散水します。スギやヒノキをかぶせるのは保湿の効果とともにスギやヒノキの葉の持つ殺菌作用が他の菌が寄ってくるのをさけてくれる意味合いもあるといわれています。この作業を「仮伏せ」と言います。この「仮伏せ」は湿度を一定に保ち、ほだ木にまんべんなく菌が回るようにするためのものです。

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仮伏せする場所に並べて散水

今回はとりあえずこれにて終了。原木15本に椎茸菌は800コマ使いましたが、ちょっと余ったくらいでした。
この後の工程としては、仮伏せが4月下旬に終了し、「本伏せ」を行います。本伏せも林内がベストですが、とりあえず直射日光が当たらず、風通しの良い日陰で、雨が当たる地面の上が最低条件です。林内に置けない場合は、よしずや遮光ネットなどでこの条件を作り出す必要があります。本伏せした場所でそのまま数年間管理してシイタケを収穫することになります。

さてさて、今回植菌したシイタケが発生するのは、2017年の秋の予定です。

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数年前に菌打ちしたほだ木から収穫。シイタケは春にも発生します


−関連記事−
◆干しシイタケの作り方

◆2006年菌打ちの記録
ほだ木伏せ込み(20060503) 初発生(20061015) 干しシイタケ(20061123) まだまだシイタケ(20070115) 今年も無事発生(20071114)

◆2008年菌打ちの記録
原木入手(20071024) 菌打ち・仮伏せ(20080308) 今年も豊作(20091021) シイタケ続々(20091118)
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2016年03月19日

ヨモギ

春は山菜・野草の季節です。野山のいたるところでどんどん芽吹いてきて目が離せません。そして、山菜のお手軽な食べ方として天ぷらがあります。小さい山菜でも衣でかさ増しされ、さらに油が付加されるのでお腹もしっかりふくれます。
ただ、風味の弱い山菜だと、「確かにおいしいけど、これってどんな山菜でもおんなじような味なんじゃ・・・」となることもしばしばです。そんな時にヨモギのような独特の風味のある野草は重宝します。

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晩御飯用にヨモギを収穫

ヨモギは通常は新芽の部分を収穫しますが、春先は柔らかいので根本から茎ごと収穫できます。

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まるごと天ぷらにすると、出来上がりもきれいです

ヨモギは天ぷら以外にも様々な利用法があります。ヨモギ団子やヨモギ餅にするのもよいですし、乾燥させてヨモギ茶にすることもできます。沖縄などでは、汁の実にしたり炊き込みご飯に入れたりもします(フーチバーと呼ばれる沖縄のヨモギは、本州で生えるものよりも苦味が少ないそうですが)。

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湯がいて、刻んで、すり鉢で潰して・・・

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ヨモギ団子の出来上がり

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あんこを中に入れるのがめんどくさかったので、上から掛けました(笑)

さらにヨモギは食べるだけでなく、乾燥させて保存しておけば入浴剤にも使えます。鍼灸で使うモグサもヨモギから作りますね。
ヨモギ茶や入浴剤として使ったあとの出がらしは、鶏小屋に放り込んでおけば、綺麗さっぱりニワトリたちが食べてくれます。
なにかと使い勝手の良いヨモギは野草の中でも独特の存在感があります。

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冬に獲ったワカサギと春にどんどん発生している原木シイタケも一緒に天ぷら

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ワカサギは子持ちでした


−関連記事−
◆ヨモギ茶
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2016年03月17日

各種キノコ種駒菌と菌打ち道具

キノコの種駒と菌打ち道具販売ページの自分用メモです。やり始めた頃はいろんなキノコの種菌を探して近所のホームセンター巡りをしましたが、結局インターネットのほうがいろんな種類が入手できるようです。
ここでは、いわゆる“森菌”を紹介していますが、シイタケやナメコなどは他にもいろんな会社が種駒菌を販売しており、要注意なのは、販売している会社によって駒の直径が違うということです。なので、違う会社の種駒を使う場合は、そのサイズにあったドリルビットを使わないといけません。今回紹介しているのは森菌なので、9.2mmです。


シイタケ・ナメコの種駒菌


シイタケ種駒【しいたけ種駒400個】


ナメコ種駒【なめこ種駒400個】


原木キノコ菌打ち用ドリルビット


種駒用キリ【種駒専用キリ9.2mm・丸軸】


種駒用キリ【種駒専用キリ9.2mm・六角軸】


その他のキノコの種駒菌


ヒラタケ種駒【ひらたけ種駒400個】


クリタケ種駒【くりたけ種駒400個】


キクラゲ種駒【きくらげ種駒100個】


ムキタケ種駒【むきたけ種駒100個】


タモギタケ種駒【たもぎたけ種駒100個】
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2016年03月15日

ノビルの甘酢漬け

春なのでノビルを収穫しました。鱗茎が太ってくるのが3〜5月くらいなので、これくらいの時期からがシーズンです。どこにでも生えている野草ですが、生えている場所を見つけたらだいたい群生しています。

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ノビルの群生地

ノビルというと味噌漬けが有名ですが、甘酢漬けもおすすめです。らっきょうの甘酢漬けのような感じになり、カレーにもよく合います。

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水道でざっと洗って大きな鱗茎を選別します。現地で時間がある時は、その場で大きい鱗茎のものだけ抜き取り、あとは埋め戻しておくのが良いです。

以下、レシピです。

1.ノビルはビニール袋に入れて塩でもんで数時間放置。これで薄皮もとれるし、一石二鳥です。塩をふって一晩おいておいてもいいです。

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きれいに処理した鱗茎。白い茎の部分もある程度残します

2.それを水洗いし、水気をしっかり拭き取ります。で、甘酢に漬けたら仕込み終了。冷蔵庫に保存しましょう。1週間くらいでおいしく食べられるようになります。
甘酢の割合は今回は水2:お酢2:砂糖1と塩一つまみとしました。この割合は好みですが、水をいれるので必ずひと煮立ちさせましょう。

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こんな感じで瓶詰めして完成。これで一株分です。

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この水道のそばでいつも処理をするので、こぼれた鱗茎からノビルがあちこちで生えています


※当記事は2006年3月6日投稿の記事のリニューアルです。
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2016年03月11日

フキ味噌

今春は、山菜全般が早いですが、フキノトウももう開花し、だんだん薹が立って来ました。これくらいになってくると、天ぷらにするとちょっとボソボソするので、ベーコンなんかと一緒に炒めものにするか、フキ味噌にするのがおすすめです。

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花が咲いたフキノトウ

今回は、10個ほど収穫してフキ味噌にしました。一般的にフキ味噌と呼ばれますが、正確にはフキノトウ味噌です。
以下、そのレシピ。

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フキノトウ収穫

1.まずは採ってきたフキノトウを洗って、汚れてる葉っぱなどを取り除きます。
まだ開いていないものはアクが抜けにくいので、半分に割ります。それを軽く塩ゆでしてアク抜きし、茹で汁を捨ててから冷水にさらします。
これはかなりしっかりアク抜きをする場合で、熱湯を使わず、採ってきたものを一晩冷水に漬けといてもいいです。さらにフキノトウの苦味がしっかり味わえるフキ味噌にするなら、このアク抜きの工程は飛ばしても良いです。

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アク抜きをすると、水が茶色くなります

2.次にその水を切り、細かく刻んで、炒めます。使う油は好みです。サラダ油、ごま油、バター、猪脂、なんでもいいです。動物性の油を使ったほうが、肉味噌っぽい風味が出るので、今回はバターを使いました。
で、しんなりしてきたらそこに料理酒、みりんを投入し、砂糖、味噌を好みの割合で溶かし入れます。分量は適当です。

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これくらいにすると苦味はだいぶ抜けます

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刻むのは適当に

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調味料を投入

3.で、水気がとんだらできあがり。熱いうちに瓶やタッパーに移して保存します。冷蔵庫に入れて数週間は大丈夫です。フキ味噌は基本的には白いご飯と一緒に食べるものですが、焼いた肉と一緒に食べたり、トーストに塗って食べるという人もいるそうです。
今回のレシピだと子どもでも食べられる苦みの少ないフキ味噌になります。

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これでほぼ完成

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白いご飯と一緒に食べましょう


※当記事は2006年2月28日投稿の記事のリニューアルです。
posted by 豆狸 at 19:11| Comment(4) | TrackBack(0) | 山菜・果実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月03日

2015年度養鶏まとめ

さて、全然書いていなかった養鶏の記録ですが、久しぶりに。
2012年に再開した庭先養鶏ですが、その時から飼いはじめたメンドリは今春で5年目になりますが、4羽が元気に暮らしています。卵を産むペースはだいぶ落ちましたが、今冬に換羽していたようなので、春からはまたのんびりペースで産んでくれるのではないかと期待しています。

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暖かい時期はそこそこ産んでました

ちなみに、4年目だった15年の春頃に産卵数を調査した時は1ヶ月で平均して2日に1個くらいのペースで産んでいました。一般の養鶏場ではとっくに廃鶏になっているような歳ですが、自家用で飼う分には十分です。当面の我が家の方針は、卵を産むペースがさらに落ちたり全然産まなくなったとしても、廃鶏にして食肉にするというのはやらないことになりました。子どもたちにとって半分ペットのようになっているので、無理に食べる必要もないという判断です。たくさん卵を産んでくれてありがとうということで、老後を過ごしてもらうプランです。

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砂浴びをするメンドリたち

ただ、これまでのニワトリたちの産卵ペースが落ちてくると卵の自家消費分が足りなくなりますので、2015年度は3羽新しくヒヨコを導入しました。いつもお世話になっている養鶏場から譲ってもらいました。

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養鶏場の見学

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この中から3羽いただきました

3羽のヒヨコは順調に育って、秋には卵も産み始めてくれました。その後、残念なことに1羽が事故で死んでしまい、現在は2羽となっています。若いので産卵ペースはたいへん順調で、1羽あたり3日に2個くらいのペースでしょうか。

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増築したヒヨコ用の小屋

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2015年春にやってきたひよこたち

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産卵も無事にスタート

あと、2015年度はニワトリたちのエサの米ヌカを狙って、イノシシが鶏小屋に何度も侵入するというトラブルがありました。これまでは一度もそんなことはなかったのですが、新たに増設した屋外の運動場スペースで子どもたちがヌカを撒いていたのが原因と考えられます。運動場は、裏山に放して1羽キツネに持って行かれた教訓から新設したものです。
おかげでワイヤーメッシュを使って鶏小屋を補強するはめになりました。これまでは、イタチやキツネの対策はしていましたが、イノシシ対策までしないといけないとは思いもよりませんでした。ちなみに、鶏小屋に侵入したイノシシは、ニワトリには一切興味は内容で、ニワトリたちは無傷でした。

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新たに作ったニワトリたちの運動場

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裏山に放していた時よりも子どもたちとのふれあいが増えました

こんな感じが今の庭先養鶏の状況です。若鶏が2羽になってしまったのだけが誤算なので、来春くらいにはもう一度数羽ひよこを導入する必要があるかもしれません。
posted by 豆狸 at 06:14| Comment(2) | 養鶏日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする